こんにちは!
この記事では、『サイエンスZERO』2020年11月22日放送の「探検!国立天文台#2 トップ研究者大集結SP」のエッセンスを紹介していきます!
日本の天体観測・研究の中心である「国立天文台」を探検するスペシャル編の2回目。スーパーコンピューターを使って太陽系の惑星の誕生の謎に迫るシミュレーション天文学の最前線を紹介。研究者が手作りしたコンピューターも大公開!天文台の地下にある重力波望遠鏡のプロトタイプにも潜入。さらに、トップ研究者が一堂に会したガチトークも。天文学を志した動機から仕事の悩みまで、ふだんなかなか聞けない研究者のホンネに迫る。
サイエンスZERO「探検!国立天文台#2 トップ研究者大集結SP」放送日と出演者は?
【放送日】2020年11月22日(日)午後11時30分~0時
【司 会】小島瑠璃子、森田洋平
【ゲスト】太陽観測 勝川行雄、すばる望遠鏡 田中賢幸、重力波 麻生洋一、シミュレーション天文学 小久保英一郎、普及室長 縣英彦
【語 り】川野剛稔
【再放送】 2020年11月28日(土)午前11時~11時30分
サイエンスZEROが国立天文台に潜入!天文シミュレーションとは?
案内してくれたのが天文シミュレーションプロジェクト長 小久保英一郎教授。
太陽系の惑星の成り立ちをシミュレーションで描き出して世界トップレベルの成果を上げてきた研究者です。
シミュレーションとは、コンピュータを使った計算によって、天体がどのようにして今のような状態のなったのか、これから先どうなっていくのかを数値計算によって可視化することができる技術。着目する一つの天体の過去・現在・未来の姿を見ていくことができるツールなんです。
そのシミュレーションを支えるコンピュータも紹介されていました。なんと手作りなんだということです!秋葉でボード買ってきて組み立てるような感覚でスパコンを自分たちで作ってしまっているんだとか。マニアですね!
世の中には、京(けい)とか富岳(ふがく)がスパコン世界最高性能を叩き出したというようなニュースや、新型コロナに関するシミュレーションに利用したとかいうことがニュースになったりしていますが、スパコンを買ってくるよりも自分たちで作ってしまった方が安くて使い勝手がいいと言ってのける小久保さんには脱帽です!
小久保さんだけでなくチームの皆さんも少なからず突き抜けているんでしょうね!
サイエンスZEROが国立天文台に潜入!天文シミュレーションが解き明かす地球創造のプロセス!
地球の成り立ちも天文シミュレーションで見ることができちゃうそうです。
地球誕生は、火星くらいの大きさの原始惑星が衝突と合体を10回ほど繰り返して起こったことなんだとか。
衝突のしかたによって合体するのか反発してしまうのかも変わっていくそうで、その様子もシミュレーションで鮮明に可視化できてしまうのには驚きでした!
サイエンスZEROが国立天文台に潜入!天文シミュレーションが解き明かす土星の輪に見えるプロペラ形状の成り立ち!
土星の輪を知ることは太陽系の成り立ちを知ること
今注目されているのが土星の輪。土星の輪を知ることで、太陽系がどうやって出来上がってきたのかが分かるようになるんだとか。
実は、太陽の周りに惑星が生まれる時にも、惑星の元になった小さな粒々がたくさんあり、その状況は土星の輪に似ているということなんだとか。
土星の輪を観測して、さらにシミュレーションで確かめていくことで土星の輪の過去・現在・未来が見えるようになっていくんでしょうね。この結果が太陽系が生まれてきたプロセスを解明することに応用ができるってことなんでしょう。
とにかく皆さん頭脳明晰すぎです!
土星の輪の中のプロペラ構造はどうやってできたんだ?
土星探査機カッシーニが捉えた土星の輪をグググっとズームアップしていくと、輪の中にプロペラのような構造が捉えられていたんです。
土星の輪をこぶし大のサイズの粒子まで考慮した詳細なシミュレーションでプロペラ構造の生成の謎に迫ってしまおうということ。
本当にプロペラ構造をシミュレーションで再現できちゃうと、計算条件やらプログラムやらモデル化やら、シミュレーションそのものの信頼性が判断できるってことにもなるんでしょうな。たぶん。
実際のシミュレーションの手順はこんな感じ。
土星の輪の粒子は偏りのない均一な分布をした状態からシミュレーションを開始。粒子同士に働く重力の影響から、次第に均一な状態から密なところと粗なところが自然に分かれてくるんですな。
この状態をさらに進めると、粒子同士がくっついて大きな粒子に成長していって、さらに粗密の偏りが大きくなっていくんでしょうね。たぶん。
粗密が勝手に出来上がった状態で、実験的に輪の中に大きめの粒子を入れてみて、重力の影響でどんな構造ができるか試してみたんだとか。
さらに!土星の輪では、内側ほど粒子のスピードが速いことが分かっているんで、内側と外側のスピードの違いもシミュレーションの条件に突っ込んでいくと、みごとにプロペラ構造が再現できちゃったんです!
観測とシミュレーションで天体の過去〜現在〜未来まで見通せるようになるっちゅうのはロマンあふれるお仕事ですよね〜
サイエンスZEROが国立天文台に潜入!地下に鎮座する重力波検出器TAMA300
重力波望遠鏡といえばKAGRA(かぐら)ですよね。2020年より本格稼働を始めたところで、サイエンスZEROでも密着していましたね。
詳しくは以下をご覧ください。重力波望遠鏡KAGRAについてもう少しウンチク語れるようになれます。
『サイエンスZEROで重力波望遠鏡KAGRA(かぐら)最新情報をご紹介!初観測の舞台裏とマルチメッセンジャー天文学』
『サイエンスZEROで重力波望遠鏡KAGRA(かぐら)を紹介!マルチメッセンジャー天文学の幕開け!』
重力波望遠鏡KAGRAのプロトタイプがTAMA300、その名の通り、300メートルのパイプが設置されたトンネルが国立天文台の地下にあるんだとか。
重力波望遠鏡KAGRAの性能を上げるために必須なのがノイズの除去、ノイズハンティングでしたね。ノイズを取り除く最新の装置の開発をここで行っているんだということです。
量子力学的な雑音を下げるための実験装置が設置されているとのことでしたが、なんのことやら・・・
コメント