こんにちは!
この記事では、『サイエンスZERO』2020年12月13日放送の「“害獣”イノシシ研究最前線 科学の力で共生の道を」のエッセンスを紹介していきます!
毎年のように街中に出没し騒動を引き起こすイノシシ。近年爆発的に数を増やしているといわれ、農業被害は年間およそ50億円にも上る。しかし、イノシシは分からないことも多い動物で、被害を減らす有効な手だてが見えないのが現状だ。番組では効果的な対策を探るために動き出したイノシシ研究の最前線に密着。生態を逆手に取ったシンプルな方法で、被害をほぼゼロにした地域も出てきた。科学の力でイノシシとの共生の道を探る。
サイエンスZERO「“害獣”イノシシ研究最前線 科学の力で共生の道を」放送日と出演者は?
【放送日】2020年12月13日(日)午後11時30分~0時
【司 会】小島瑠璃子、森田洋平
【ゲスト】麻布大学客員教授…江口祐輔、兵庫県立大学教授…横山真弓
【語 り】川野剛稔
【再放送】 2020年12月20日(土)午前11時~11時30分
今回のゲストは、イノシシ研究の第一人者である、江口先生と横山先生です。どんなお話が聞けるのか楽しみですね。
サイエンスZEROがイノシシの謎に肉薄!イノシシの生態は実は謎が多い?
都会に住んでいればイノシシがその辺をウロチョロしている姿を見ることはありませんが、干支にもなっているし、ウリ坊は可愛いし、結構身近な動物だと思っていました。でも、そのわりに生態も良く分かっていない、実はまだまだ謎の多い生き物なんだということです。
これ、結構ビックリでした。
日本に住む哺乳類としてはトップ5の大きさ!
猪突猛進の俊足&機敏な動きで捕獲するのも一苦労!
ジャンプ力抜群で1メートルの高さの柵も突破!
泳ぎが達者で海を渡って島に移動もする!
学習能力が高く、頭もイイ!
なかなか侮れない生き物ですね。農作物被害を防ぐ手立ては、こんなイノシシ相手に知恵比べをすること。イノシシのことをよく知る必要があるのは当然ですよね。
サイエンスZEROがイノシシの謎に肉薄!イノシシ本来の姿は?
森の中でのイノシシの本来の姿はどうなんでしょう?
イノシシは臆病で慎重!
草むらなど、身を隠せる場所で行動することが多い。
イノシシは鋭い嗅覚を持つ!
犬並みに鋭く、地中に隠れたエサも簡単に見つけることができる!
好物のタケノコを見つけて、強靭な鼻で掘り返して食べてました。
本来、イノシシはミミズとか草の根っこを主食とする粗食家なんだとか。これも初めて知ったことで、結構オドロキでした。
高い繁殖能力!
一度に5頭も子どもを産む子だくさんのイノシシ。ニホンジカやツキノワグマが1〜2頭であるのに対してだいぶ多いですよね。
実は、イノシシの子ども、ウリ坊は、エサを取ることも得意ではないし、他の肉食動物にとっては格好の獲物になっているということです。
そのため、ウリ坊は生まれてから半年以内に半分が死んでしまうことが多く、イノシシはいっぱい産むことで子孫を残す戦略を取っているってことらしいんです。
ウリ坊は可愛いんですけど、足が速いわけでもないから狙われると逃げきれないんでしょうね。
サイエンスZEROがイノシシの謎に肉薄!生息数激増中!
環境省のデータでは、1989年には25万頭だったのが、2017年には88万頭に急増しているんだとか。
要因として考えられているのが、ウリ坊が死ななくなっているってこと。
もともと半数が死んでしまうから子だくさんだったのが、子だくさんのまま増え続けるという状態になっているんだと考えられているんです。
なんで死ななくなったんでしょうかね?畑で栄養豊かなエサをゲットしやすくなったこともあるんでしょうかね?
サイエンスZEROがイノシシの謎に肉薄!イノシシが巨大化!
激増しているイノシシの数。兵庫県立大学の調査では、1キロメートル四方に10頭いれば高密度であると考えられてきたそうですが、実態を調査してみたらなんと30頭だったんだとか。超過密状態ですね。
当然駆除をしているそうですが、駆除したイノシシを調べたことで分かった驚きの事実もあったんだといいます。
イノシシの数を減らすには、本当は繁殖能力のある親イノシシを駆除する必要がありますよね?でも実際に罠にかかったイノシシの7割もが、警戒心の薄い子どもイノシシだったというんです。しかも、親イノシシは警戒心が強いため、罠を見破ると2度と捕らえることができなくなってしまうんだとか。
ここでも親イノシシは高い学習能力を発揮していますよね。
本来粗食のイノシシが栄養価の高いエサを食べることで巨大化しているということも判明したんだそう。通常は4歳で50キロほどの体重が、なんと160キロもあったんだとか!
もはや体の大きさだけで、大人と子どもの区別がつかなくなってしまっているということですよね。
大人と子どもを判別する方法は、イノシシの前歯の大きさを見ること。人間同様、イノシシも子どもの頃は乳歯なので、これで判別するんだということでした。
イノシシの生態を知るってこと、本当に大事です。
サイエンスZEROがイノシシの謎に肉薄!最新のイノシシ対策とは?
イノシシの生態に詳しい江口先生の指導のもと、農業被害をゼロにしてしまった地域があるそう。でも、その対策方法は目新しいものを使っているわけではなかったのが驚きでした。
使っているのは電気柵。害獣対策に使うものとしては良くあるものですよね。
実はイノシシの生態を知ることで、電気柵を効果的に使うことができるようになって、状況が一変したんだということです。
イノシシの鼻に狙いを定めて畑の周囲に電気柵を設置!
イノシシが触れたときに電気ショックを与えるのが電気柵の役割。でも、体毛に覆われたイノシシの体に触れても電気は流れないんで効果がないんだということです。
では、どこが効果的なのか?これがイノシシの鼻。体毛もなく常に湿っていて電気が流れやすいんです。ここに電気ショックがきたらめちゃめちゃビックリしそうですよね。
電気柵の効果的な設置は、地面から20センチメートルの間隔で電線を張ること。
イノシシが優れた嗅覚や触覚で周囲を探索するという習性を逆手に取った対策なんだとか。
しかも、イノシシは学習能力も高いから、このショックを覚えて近づかなくなるんでしょうね。
畑の周りの草刈り!
イノシシは警戒心が強いという習性もありましたよね。畑の周りに草むらがあると、そこがイノシシの隠れ場所にもなるし、繁殖場所にもなってしまうんだとか。
確かに、エサ場の近くに隠れる場所があったら便利ですもんね。
この隠れ場所をつぶす作戦が草刈りになるんです。
イノシシの習性を熟知しているからこそ出せる的確な対策方法ですよね。
お金もかからない、本当に素晴らしい対策方法です!
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