こんにちは。
NHK Eテレで放送している『サイエンスZERO』。毎回毎回いま話題の最先端の科学と技術をとっても分かりやすく解説してくれるので、ワタクシの大好きな番組でもあります。今回は、2020年6月28日放送の「日本の“お家芸”サンプルリターン 世界初!火星の月探査へ」ご紹介します!
世界の宇宙探査をリードする日本の“お家芸”「サンプルリターン」。はやぶさ2の成果に続き、新たな研究開発が進む。それが「MMX(Martian Moons eXploration)」。目指すは「火星の月」だ。2020年代半ばに探査機打ち上げを目指し検討が進む。戻ってくるサンプルからは、太陽系の成り立ちや、生命の起源に迫る情報がもたらされるかもしれない。次世代宇宙探査の詳細に迫る。
サイエンスZEROで はやぶさ2 に続く次世代宇宙探索をご紹介!〜放送日と出演者は?
【放送日】2020年6月28日(アンコール:初出2019年11月10日)
【司 会】小島瑠璃子、森田洋平
【ゲスト】北海道大学教授…倉本圭(くらもときよし)、JAXA 宇宙航空研究開発機構 教授…川勝康弘
【語 り】川野剛稔
【放 送】 毎週日曜 [Eテレ] 午後11時30分~0時
【再放送】 翌週土曜 [Eテレ] 午前11時~11時30分
サイエンスZEROで はやぶさ2 に続く次世代宇宙探索をご紹介!はやぶさ2のサンプルリターンってどんなこと?
2014年12月3日に、小惑星探査機「はやぶさ2」を載せたH-ⅡAロケットが打ち上げられました。地球から3億km先の小惑星「リュウグウ」を目指します。
はやぶさ2が小惑星リュウグウに向かう目的って何?
小惑星リュウグウには、46億年前に太陽系が生まれた頃の水や有機物が、今でも残っていると考えられているんだって。
地球の水はどこから来たの?生命を構成する有機物はどこでできたの?っていう生命のルーツに迫ることが期待されています!
はやぶさ2がサンプル採取に成功!まもなくサンプルリターン完了!
2019年に2回にわたるサンプル採取に挑戦、成功しました。この時に採取できた小惑星の砂は0.1グラム。リュウグウ表面へのタッチダウンしたわずかな時間での採取だったんだそう。
タッチダウンっていうのは、リュウグウ地表面に触ったら、すぐに飛び上がるような動きをすること。リュウグウ地表面に接触していた時間はわずか数秒とのこと。
はやぶさ、はやぶさ2で達成した、小惑星からのサンプルリターン、この分野が今、日本の宇宙開発のお家芸となっています!
はやぶさ2は2020年末に地球への帰還を目指して今も宇宙を飛んでます。年末の帰還楽しみです!
サイエンスZEROで はやぶさ2 に続く次世代宇宙探索をご紹介!MMXってどこで何する計画なの?
はやぶさ2で確実なものとしたサンプルリターンの技術を使って、次に目指すのが火星の衛星(火星の月)のフォボスとダイモス。大きいのがフォボスで、直径27kmほど。ダイモスは直径15kmほど。初めて番組が放送された時には、どちらの月を目指すのかまだ決まっていなかったようですが、アンコール放送時点では大きい方のフォボスを目指すことが決まったみたいです。2020年代半ばの打ち上げを目指して開発中です。
プロジェクト名はMMX(Martian Moons eXploration:火星衛星探査計画)!カッコ良さげですね!
火星の月には、「地球がどうして生命の惑星になったのか?」という秘密を解き明かすカギを握っていると考えられていて、だったら行って採ってこよう!ということになったんですね。
サイエンスZEROで はやぶさ2 に続く次世代宇宙探索をご紹介!水の惑星 地球、水はどこからきたの?
そもそも、地球誕生時には「水」は存在してなくて、地球の水の起源はまだ分かってないんだとか。火星の月は地球に水を運んだ天体の生き残りで、タイムカプセルのようにその時の状態が保存されているかもしれないって多くの科学者が考えているんだとか。実際に行ってなくても、長年の研究の積み重ねでそんなことまで分かっちゃうんですね〜
太陽を中心にして、液体の水が存在できる軌道の範囲っていうのがあって、これを「ハビタブルゾーン」っていいます。これよりも太陽に近いと蒸発して水蒸気になる。遠いと氷になったう。液体の水があるってことは、地球は奇跡的に絶妙な位置にいるってことなんです。
生命誕生には水は欠かせないもの。その他にも条件があるんですけど、続きはこちらでも紹介していますのでよろしかったらご覧くださいね。
サイエンスZEROで地球外生命探査の最新情報を紹介!まもなくSFではなくなるかも?
サイエンスZEROで はやぶさ2 に続く次世代宇宙探索をご紹介!火星の月の起源は?捕獲説と衝突説の2つの学説のケリがつく!
火星の月のフォボスとダイモス。それらも地球の月同様に火星の周りをぐるぐる回ってます。しかも、火星の赤道面とほぼ同じ軌道面に2つともいるんだとか。
火星の月の起源については「捕獲説」と「衝突説」という2つの有力な学説があるそう。
捕獲説とは、木星近くを回る小惑星が火星の重力に捕らえられて月になったというもの。これらが同じ軌道面にそろう確率は1000万分の1、年末ジャンボ宝くじで1等賞を当てる確率と同じなんだとか。ありえるような、ありえないような、想像しにくい結果です・・・
衝突説とは、地球の月と同じように、他の天体が火星に衝突することで吹き飛んだ火星のかけらが集まって・くっついた結果生まれたというもの。シミュレーションでも再現できていて、最近はこちらの学説が有力なんだとか。
ゲストの倉本先生いわく、どちらも五分五分とのこと。サンプルリターンが待ち遠しいですよね。
サイエンスZEROで はやぶさ2 に続く次世代宇宙探索をご紹介!MMX探査機のテクノロジー!着陸とサンプル採取🎶
探査機の打ち上げ時の重量は4トン。でもそのうちの3分の2は燃料なんだって。燃料を使い切ったら切り離してどんどん身軽になっていくような仕組みになっているそう。合理的な設計なんですね〜
成功すれば世界初!小天体への着陸!
探査機が向かうフォボス。重力は地球の2000分の1しかないそうです。地球の月の場合は6分の1なので、ほとんど重力がないってことです。重力が大きな月とか火星に探査機が着陸したことはあるんだけど、フォボスみたいな重力極小の小天体に探査機が着陸成功したことはない!
2014年に彗星への着陸を目指したヨーロッパのロゼッタ計画の着陸機は、着地後にリバウンドして計画失敗となってしまったそう。なので、MMXが成功すれば世界初!ってことです。がんばれ!!!
重力があると、そのおかげで探査機の姿勢を保つことができるけれども、フォボスではそれがない。そのため探査機がフォボス着陸時に受ける衝突のエネルギーの99.96%を逃す工夫が必要になるんだとか。
そこで登場するのが、何やら複雑な網目構造をした衝撃吸収材。3Dプリンターで作ったアルミ製の部品で、探査機の足の中に仕込みます。こじるりさん、全力で潰そうとしますがびくともしません。けっこう丈夫なんですね。それだけ衝突時の衝撃は激しいってことなんですね〜
岩に向かってパンチするようなもんですもんね。かなり痛そう・・・
衝撃吸収材自身が潰れることで、着陸時の衝突エネルギーを吸収します。フォボスの異なる2つの地点に着陸できるように構造を探っているそうです。
目標サンプル採取量は10グラム!はやぶさ2の100倍!
せっかく世界初の着陸を成功させてもサンプル採れなきゃ泣くに泣けない。ってことで、採取方法についても技術的なチャレンジを繰り広げているんですね。開発するのは「コアラー機構」。筒を地面に打ち込んでサンプルを採取する装置。
サンプル量が大量に必要な理由は、火星の月表面に見えるクレーターから分かります。クレーターは月に外から降ってきた別の天体の衝突によってできたもの。
MMXでは、タイムカプセルになっている月本来のサンプルを持ち帰る必要があるため、なるべく多くの試料が必要なんだってことですね。
100倍の量をちゃんと採取する装置を作る。確実に採取できそうな場所に降ろす。ちゃんと帰ってくる。たいへんなプログラムだと思いますが、ロマン満載ですね!こんなことに携われるのは幸せなことです。うらやましい!
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