サイエンスZEROで火山島“西之島”の探検密着!西之島(にしのしま)で新発見⁉️

サイエンスZERO

こんにちは。

NHK Eテレで放送している『サイエンスZERO』。毎回毎回いま話題の最先端の科学と技術をとっても分かりやすく解説してくれるので、ワタクシの大好きな番組でもあります。

今回は、2020年1月19日に放映のアンコール版『「2週連続 探検!火山島“西之島”PARTⅡ」』から、絶海の孤島として誕生した西之島への初の上陸調査の探検密着放送パート2です♫

前回放送内容はこちらをご覧くださいね。

『サイエンスZEROで火山島“西之島”上陸調査に密着!西之島(にしのしま)は自然変化観測の実験場⁉️』

噴火で拡大を続ける「西之島」の上陸調査に密着するシリーズの2回目。海岸の調査では、絶海の孤島で意外な“人間の影響”を見つける。さらに、溶岩だらけの島にこれから生態系が発展していくために必要な「土壌生成」が既に始まった可能性も確認。それは常識を覆す新たなメカニズムだった!今後、西之島を観察し続ければ、私たちは自然の成り立ちを理解することができる。その貴重な出発点となる調査の記録だ。

 

東京都心から南に約1,000km、最寄りの父島からも約130km離れた場所に位置する小笠原諸島 西之島は、2013年から始まった大規模な噴火により、もともとあった旧西之島をほぼ飲み込む形で島を拡大し直径約2kmの島となりました。

噴火がいったん収まった2019年9月、環境省が科学調査隊を結成・派遣することになりました。番組ではこの時の調査の模様を紹介、新たな発見もあり今回の放送でばっちり紹介されます!

サイエンスZEROで火山島“西之島”の探検密着!放送日と出演者

【放送日】2020年5月10日(アンコール:初出2020年1月19日)

【司会】小島瑠璃子,森田洋平

【ゲスト】森林総合研究所 主任研究員…川上和人

【語り】大嶋貴志

 

【放 送】 毎週日曜 [Eテレ] 午後11時30分~0時

【再放送】 翌週土曜 [Eテレ] 午前11時~11時30分


サイエンスZEROで火山島“西之島”の探検密着!科学調査隊が向かった西之島はどこにある?


西之島は無人島ではありますが、東京都です。調査隊は50時間かけて調査船に乗り込み西之島へと向かいました。

サイエンスZEROで火山島“西之島”の探検密着!カツオドリを追え!

噴火前の西之島はカツオドリなどの海鳥の一大繁殖地でした、2013年からの大噴火により元々の島はほぼ溶岩で覆い尽くされてしまいました。それでも6種類の海鳥が子育てに戻ってきていました。そのひとつであるカツオドリ。旧島では繁殖エリアが狭くなったため超密集状態での子育てとなり、小競り合いも多発するストレスフルな状況となっていたようです。

一部の個体は繁殖時期を自らずらすというワザを繰り出し、またあるものは新たな溶岩むき出しの大地への進出をしていたことが判明!それぞれが生命をつなぐ挑戦をしていたんです!

今回紹介されたのは新大地で育つカツオドリのヒナたちを追います。海に侵食されて砂浜になった海岸付近に営巣するもの、海から遠く離れた内陸部、それこそ溶岩むき出しの荒れた大地に育つヒナの姿もありました。みんなおんなじ姿かたちに見えるカツオドリたちにもしっかり個性があるんですねぇ〜感心しちゃいました。

サイエンスZEROで火山島“西之島”の探検密着!『土壌』発見!大発見!!

カツオドリのヒナたち、たくましく生きていますがやはり厳しい自然環境の中で力つきるものもたくさんいます。番組中でも出てきましたが、新しい大地には多くのヒナたちの死体がありました。しかし、この死体の下から黒く湿った土である「土壌」が見つかりました!

通常、土壌は、枯れた植物が虫などによって食べられて細かくなったものが砂と混じることでできあがるものなんだそう。しかしここ西之島の新大地には植物は存在しません。前回放送で出てきた旧島で生き残った植物は土に養分がないと生えることができない植物。新大地の土壌のもとにはなりません。新大地の土壌はどうやってできたのか???調査の結果、思いもよらないプロセスで作られていました。

土壌生成の発端は、なんとカツオドリの死体!それを食べて生きる虫も発見されました。カツオブシムシとハサミムシ、そしてトビムシ。この虫たちの連携で、鳥の死体は細かく分解され、粉状になった溶岩と混ざることで土壌ができてきたということ。新しい発見です!本当に自然の仕組みってうまくできてますよ。オドロキです!風の谷のナウシカに出てくる腐海と王蟲の関係そっくりですわ。



サイエンスZEROで火山島“西之島”の探検密着!放送内容文字起こし

「2週連続 探検!火山島“西之島”PARTⅡ」

小笠原諸島の西島。大海原に新しい大地が生まれました。2019年9月環境省は噴火後初となる大規模な上陸調査を実施。サイエンスゼロではこの調査の貴重な写真報告を公開収録し前回もお伝えしました。今日はその第二弾。さらなる大発見に至る調査会の探検リポートです。
まずはパートツーをより楽しむために前回を簡単に振り返りましょう。
2013年に噴火を始めた西之島。吹き出した大量の溶岩が隣にあった旧西之島を飲み込み、直径およそ2キロの新しい大地が生まれました。噴火が収まり、今回の調査が行われた後にもなんと再び噴火。島はさらに拡大を続けています。海の真っ只中にこれほど大きな島が誕生するのを人類は初めて観測しました。西之島は東京都心から南へおよそ1000キロ。一番近い父島からでも130キロほど離れている絶海の孤島です。
およそ50時間にも及ぶ長い旅の末調査と読ませたくないから西之島に到着しました。調査隊のメンバーは10人。各分野を代表する選りすぐりの研究者たちです。鳥、昆虫、植物、海岸の生き物。そして火山。西之島の全てを調べ尽くす意気込みです。吹き出した溶岩で新しく生まれた大地にどのように着物がたどり着きどう増えていくのか?西島は自然の変化を観察できるめったにない実験場です。その貴重な調査の報告をしてくれるのが長年小笠原で研究を続けるこの方。
鳥類調査担当の川上和人さん。今回の研究リーダーを務めました。西之島の凄さは?

今までにできている島っていうののほとんどがですね他の陸地からすぐ近いところなんですよ。どうしても風でいろんな生物が飛ばされてきたりとか海を流れて入り込みやすいので隣の島と似たような環境になりやすいわけですよね。ところが西島っていうのは隣の島まで130キロあるんですよね。100キロ以上離れているとそこに一体どうやって生物が入っていくのかっていうのはもうこれはちょっと想像ができないようなものなんです。

でもあなたの大地にすぐ進出できそうな生き物がいる場所が1つだけあります。それはわずかに残った旧西之島。旧島呼ばれます。
時間をさかのぼってみましょう。
実は噴火前の旧島は緑に覆われた平地が広がり、カツオドリなどの海鳥が子育てする大繁殖地でした。そんな旧島、噴火によって生態系は大打撃を受けましたが生き物はまだ残っているはずです。
そこでまずは旧島を目指し調査隊が上陸します。川上さんのターゲットはカツオドリ。他の小笠原の島では既に子育てが終わっている時期です。ヒナが旅立った後の巣を調べようと言う計画でした。さぁ調査隊の出発です。カツオドリの巣は見つかるのか?
しかしこの後、意外なことが!

驚くべきことにたくさん実はいっぱい鳥がいてですね、あの白いのがヒナなんですね。数えただけで114個体だったかなと思うんですけども、ヒナがたくさんこの狭い中にいましてちょっと予想外でしたね。
この時期まで子育てが続いていた理由それはまだわかりません。しかしそれは研究者にとって嬉しいことだと川上さんはいいます。今西之島で起きている事は人類が初めて出会う新しい現象だらけ。調査隊はいくつもの謎に遭遇します。
謎を解く手がかりを探し仮説を立て証明する。まさに科学の醍醐味が西島では味わえるのです。
川上さんもある光景を見てカツオドリの謎を解く仮説を立てました。それはカツオドリのヒナ同士の喧嘩。噴火前の西之島には平地が広がりカツオドリは互いに距離をとって子育てしていました。しかし噴火後はわずかに残った場所に集中したはずです。過密状態になってヒナ同士の距離が近くなると喧嘩を始めてしまいます。その状態を避けたいかつ踊りが時期をずらして子育てしたのではないか?これが川上さんの仮説です。さて旧島に残ったカツオドリ。新しい大地には進出しているのでしょうか?




それではいよいよ探検リポートの後半を始めましょう!初公開映像満載です!今回の調査ポイントは新しく生まれた大地の中でも2年前にできたビーチの部分です。旧島から500メートルほど。鳥ならすぐにやってきそうですがそう簡単ではないといいます。
川上先生は鳥がこの新しい大地に繁殖地を広げているかどうか、これ調査しに行ったんですね。
さすがに新しいところなのでこれは何もいないんだって言うそういう状態だと思って上陸はしてるんですけれども。
さあでは実際上陸した調査の結果はどうだったんでしょうか?
ビーチを取り囲む溶岩の上では生き物は全く見当たりませんでした。でも平らなビーチなら海鳥が巣を作れるかも。しかし。
正直なところこの浜ではドローンで調査した時もほぼ鳥はいなくて、まだ定着はしてないんじゃないかなと予想しています。

海から50メートル離れた場所を歩いていたその時!河上さんの目の色が変わりました。こんなところにゴミが!
ここにゴミが集まってるように見えるんと思うんですけれども、これはカツオドリの巣の跡ですね。
通常カツオドリは枝や枯れ草を使って巣を作ります。しかしここには植物がないため海から流れ着いたゴミを使った巣がいくつも見つかりました。
新しい大地に海鳥が繁殖地を広げていることが確認されたのです。

ほとんどプラスチック片とかなんですけども、よく見るとこれ木ですよね。木の皮とか。あとこれ彼ら自身の鳥の毛が入っていたりだとか、これはトビウオのひれの部分です。破片を拾ってきて、頑張って巣を組んでると思います。

近くをさらに詳しく調べていくと…。

あそこにカツオドリのヒナが1羽元気にしていますね。日差しが暑すぎるので日陰に隠れるのはよくあることなんです。

鳥の研究者である川上さんも驚くたくましい海鳥の姿がそこにありました。

僕が思っているよりも早く海鳥が移動してここを利用し始めている。

そこでさらに内陸もドローンで調べます。所々白くなった場所があります。近づいてみると…。

あの白っぽくなってるのは全部排泄物なんですよ。

なんと海岸から数百メートルも離れているのに漂着したゴミがあります。カツオドリの巣である可能性が高いといいます。
この場所では鳥の排泄物が一面に広がっています。おや?もしかして…。カツオドリのヒナです。こんなゴツゴツした溶岩の上で元気に育っていました。

全く何も生物がいないように見えるようなあの世界の中に、実はちゃんと生物がいるんですよ。これとんでもないことですよね。カツオドリにとって旧島の周辺はとにかく過密になってきていて、営巣する、巣を作る場所も充分ではなくなってきているので、フロンティア精神にあふれた個体がどんどん外に出ていくことによってカツオドリの集団全体が拡大できて、今後この島で大きな機能を発揮していくんだろうなと思います。



勇気がある子たちがいましたね。
溶岩の上の内陸の方まで含めて、まさかあんなところまでカツオドリが巣を作り始めているとは正直なところ全然思っていませんでしたね。
ちょっとケガしちゃうんじゃないか、体を切っちゃうんじゃないかっていうくらいゴツゴツしてますけどもね。
足をケガしててやっぱり、血がでちゃってるヒナとかもいたんですね。ただそれでもたくましく頑張ってきている姿が見えましたので。
内陸のほうにこの子たちが巣を作ったのはどうしてだと考えられますか?
海岸で繁殖している場合っていうのがあるわけですよね。良い事は平らなんで繁殖しやすいし安全に見えますよね。でも例えば今年は台風が多かったですよね。そうすると高波とかがやっぱりくるんですよ。もし大きな波が来てしまったら巣が波に飲み込まれてしまって結局そこにいた個体は死んじゃうっていうことになりかねないわけですね。ところがさっきみたいに内陸まで例えば波が来るっていうのは考えられないので、そういう個体がいれば集団としては生き残ることができますよね。一方で隙間にもし落ちちゃったら多分上がって来れないと思うんですよ。そしたら繁殖失敗してしまうっていうことになると思うので、平和な何もない年もあれば嵐の来る年もあるけれども誰かが生き残って巣を作り続けることによって、集団がちゃんと維持されていくんだっていうふうに考えればいいのかなと思うんですけれども。
多様であることの意味っていうのはこういうことなんだっていうのがあの西之島の状況を見るとすごくよくわかりますね。
ちょっと巣があまりにもゴミが多すぎるといいますかね。どんなものでも利用しようとするカツオドリのたくましさも感じたんですけれど。海にゴミはやっぱり多いんだなぁっていうちょっと悲しい寂しい気持ちにもなりますね。
そういう意味ではですね我々の普段の生活と全く関係のなさそうな、人が行くことがないあの島も、海を隔ててつながっているんだなっていうのはちょっと感じることができますね。
まさに今の時代の鳥たちが今どうやって生活してるか。人と切り離されたような場所だけども、そういうところで一体人間の影響を受けながら生活しているのかって言うのをこれもきちっと記録していくっていうのはすごく重要だと思いますね。



さぁ調査は続いていくんですが、実は川上さん達、新しい溶岩の上で大きな発見をしたという事なんですよね?
我々のとっておきの大発見なんですけれども。是非ちょっと見ていただきたいなと思います。
その発見をした場所というのがこちら。旧島の周りに広がる新しい溶岩の先端。この赤い部分なんですね。
調査隊はこの場所に登って大きな発見をしたと言うことなんです。一体何があったんでしょうか?
調査隊が溶岩の上に登って調べてみると…。
ここにもカツオドリのヒナ。この辺りだけで60羽以上も見つかりました。ここはカツオドリが新しい溶岩の上に初めて作った大規模な繁殖地であるとわかりました。
しかしまだ植物は全く入り込んでいないようです。荒涼とした溶岩の大地。調査を続けていたその時隊員たちがざわめき始めました。

ここなんとなく土っぽくなってますもんね。土ができ始めていると言ってもいいかもしれない。

地面に溶岩が砕けた砂があるだけではなく黒く湿った土、土壌があるのを見つけたのです。土壌ができるためには、まず枯れた植物が小さな生き物に食べられて細くなり粉のように砕けた石と混じり合うことが必要だと考えられています。しかしこの場所には植物が一切ありません。一体どうやって土壌ができたのでしょうか?
調査隊が注目したのは鳥の死体が多いことです。たくさんのヒナここで卵から孵りますが、過酷な環境なため死んでしまうことも多いようです。死体の下を見ると…。

カツオブシムシ。生きてますね。

鳥の死体を食べて生きる虫を発見。カツオブシムシとハサミムシです。さらにじっくり見ると驚きの発見が。

あれっと思って。
何がいたんですか?
トビムシですね。小さな小さな。普通は植物がないと存在しない土壌動物が鳥の死体しかないところにちゃんといる。
体調わずか1ミリメートル。植物がないところにはいないと思われていた虫が何故かここにいたのです。こうした発見から土壌ができた仕組みがわかってきました。
鳥の死体に虫たちが集まり食べていきます。カツオブシムシとハサミムシが食べたものをさらにトビムシが食べ非常に細かく分解していきます。そして粉状になった溶岩と混じり合い土壌ができ始めたと考えられるんです。

普通は植物が有機物を供給して土壌が形成されるが、鳥の死体があると有機物が供給されてそれに昆虫や土壌動物が集まってくる。都城生成のプロセスが始まっている、とも捉えることができるとなります。

こんな事で但馬ないんじゃないかな。植物がないところってあんまり世界ないですからね。
これまで考えられてきた土壌のでき方とは違う大きな発見です。
これだったら植物の種子が来たら生えられそう。
準備できている。
第一に鳥、次に虫がきて、草が来る。
そういうことですよね。
この島では鳥がいないと生きていけないって言う感じですね。
普段昆虫は鳥に食べられるって感じで「鳥なんて」て思っているけど。
考え方が改まりましたか?
ひれ伏すしかない感じ。あまり人類が観察してこなかっただけで実はそういうことが起こっているんでしょうね。

人類が初めて遭遇した生まれたての大地西島。そこに上陸することで秘められていた自然の仕組みが明らかになったのです。
島の生物って何もないところに入り込んでいって、どうやって定着していくかっていうのはすごく重要なテーマで。多くの場合はやっぱり最初に植物が入ってきて、植物があるおかげで植物を食べる昆虫が入ってきて、昆虫を食べる鳥が入ってくるって言うような順番で生態系ができていくと言うふうに考えられていました。それは実際そういうところっていうのはたくさんあると思うんですけども、ここの場合は順番が全く逆でまず鳥がやってくると。鳥のおかげでそれを食べる、死体とかを食べる昆虫がやってくる。昆虫がいるおかげで鳥の死体が分解されて土壌ができます。その土壌を使うことができるので植物がこれから生えてくるんじゃないのかなというふうには考えているんですけども。
そういう意味ではこれは今までの教科書的な考え方を書き加えるようなですね。こういうことも充分あり得るんだっていう説になっていくんじゃないかなと考えています。あと実は海鳥っていうのは体に植物の種子をくっつけて飛んでくることがあるので、種子そのものも持ってくるかもしれないです。巣材がたくさんあると、そういうところには昆虫も住み始めるんですけども、巣の周辺から生態系ができていくというのがこの島では起こるんじゃないかなと今僕は思ってるんですね。
それを最初から見ていけるかもしれない。
そうですね。すごく面白くなってきたところです。
人類が観察しなかっただけでこういったことが世界中で起きてたんではないかとおっしゃってましたよね?
今まで植物が入ってきて、それで昆虫が入ってくるような研究っていうのがされていたのが、実は日本だと三宅島とかですね、あとハワイでもそういう研究があるんですけども、そういうところって人が住んでいる島なんですよね。人が住む島は、ネズミや猫を持ち込んでしまっているので海鳥ってああやって地上で繁殖するので、繁殖できなくなっちゃうんです。海鳥がいない環境では最初に植物が入る。んですけども、海鳥がいる環境だと順番が違うかもしれません。それが観察できる場所っていうのはやっぱり人間が影響与えないような孤立した島である必要があったと思うんですけども、そういう意味で西之島っていうのはすごくいい調査地なんですね。




三日間かけて行われた西島上陸調査。その記録はこれから長い年月をかけて変化していく島の生態系の出発点です。
西島で何種類の着物が見つかりましたか?
例えば鳥ではですね、繁殖が見つかってる鳥が今のところ6種類までは見つかってますね。いろんな緑がもうあの島に帰ってきてるんですね。カツオドリ、アオツラカツオドリ、オナガミズナギドリ、クロアジサシ、オオアジサシ、セグロアジサシ。
海鳥の楽園が今また復活しようとしているところというのを見ることができました。
アオツラカツオドリは日本には繁殖地がわずかしかない珍しい鳥です。噴火前の西之島には20羽しかいなかったのに、今回の調査では64羽が見つかりました。環境の変化が有利に働く力ものもいる。自然の本質に迫る発見です。
人間にとっては噴火って災害のように見えるかもしれないんですけども、鳥たちにとっては必ずしもそうじゃなくて面積が広がるとか良い部分もあるのかなとちょっと思っています。
昆虫の方なんですけども、昆虫とか節足動物ですね、クモとかそういうのも合わせると、そのへんは確か30種類以上ぐらいは今回の調査で見つかりました。

これらの虫は旧西之島からの生き残り。クサシロキヨトウ、オガサワラ クビキリギス、ヒメツチカメムシ。この先あらたな虫は100キロ以上離れた陸地から来るしかありません。しかしその予兆も見つけました。

トンボが取れました。渡をするトンボなんです。ウスバキトンボですね。全然水場がないので繁殖はできないですけど。

ウスバキトンボは熱帯で生まれて海を渡り、遥か日本まで飛んでくる虫。その途中ここで一休みしていたようです。

新しい陸地、新しい大地に今生物がまさに増えつつある。その瞬間を僕らは見ることができました。今後どんどん種類も増えてくると思いますので楽しみにしておいてください。
調査隊は西之島である重要な任務を果たしました。それは今回の調査を未来へつなげていくために大切なこと。今は生き物が全く見当たらない溶岩の上もいつか植物が茂りたくさんの生き物が集う豊かな自然の世界になるはずです。
調査隊は新しい溶岩の上や土壌が生まれ始めた場所など、西之島の5か所に10メートル四方の調査区画を設置しました。今後同じ場所を観察し続けて生き物がどう入り込み、どう変化するのかを調べていくためです。

この島はこれから育っていく島ですので、ある意味子育てみたいなものなのかな。まだピュアな将来も決まっていない島がどうやって育っていくかを見守りながら、島の成長を追っていくことができればすごく面白いなと思っています。

この10メートルの区画、どのくらいの期間観察することになりそうなんですか?
どのくらいで生物が入ってくるか分からないんですけれども、まぁ数百年は見て行かなきゃいけないだろうなと思っています。次世代はもしかしたらここに来てくれてるお子さんが調査に行くかもしれないわけですよね。
もしかしたらあの10メートルの区画を使ってさらに研究を進める方たちがこの中に入るかもしれないですもんね。
楽しみですよね。
多分そういう仕事をやってくれるんだろうと期待してますね。


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