サイエンスZEROで新型コロナ論文ビッグデータ解析を紹介!サイトカインストームと新治療戦略!!

サイエンスZERO

こんにちは。

NHK Eテレで放送している『サイエンスZERO』。毎回毎回いま話題の最先端の科学と技術をとっても分かりやすく解説してくれるので、ワタクシの大好きな番組でもあります。今回は、2020年5月31日放送の「新型コロナ論文解析SP」のご紹介です。

内容としては、NHKスペシャル「新型コロナウイルス ビッグデータで闘う」のダイジェスト。解説委員の土屋さんの穏やかな語りでとても分かりやすい放送でした。

新型コロナ特集。ノーベル賞科学者・山中伸弥さんを中心とする専門家チームが人工知能AIとタッグを組んだ「論文解析プロジェクト」がはじまった。いま世界の研究者は週に数千本に及ぶ論文を査読前からネットで共有する、かつてない人類総力戦を続けているが、膨大かつ玉石混交の情報は、専門家でさえ全体像が把握できない。命を救うカギはなにか?ビッグデータの解析から、人類共通の課題に挑む。NHKスペシャルとの連動企画。




サイエンスZERO〜放送日と出演者

【放送日】2020年5月31日

【司 会】森田洋平
【解 説】土屋敏之
【語 り】利根川真也

【放 送】 毎週日曜 [Eテレ] 午後11時30分~0時
【再放送】 翌週土曜 [Eテレ] 午前11時~11時30分



サイエンスZEROの新型コロナ論文解析SP!論文解析プロジェクトとは?

毎週数千本を超える新型コロナウィルスに関する論文が発表されていて、専門家でも最新の情報を網羅的に追いかけるのが困難になってきているそうです。

通常の論文公開には専門家による「査読」によりその論文の信ぴょう性・正確性が検証されるプロセスを経るけれども、新型コロナ論文については迅速性を優先しているため「査読」をスキップしてネット公開する仕組みになっている。緊急事態なので世界中の知見をまず公開して最新の情報共有をするということなんですね。

でも、「査読」がないため、論文はまさに玉石混交状態。NHKスペシャル「新型コロナウイルス ビッグデータで闘う」では、50,000本を超える研究論文を読み込み、AIを活用して注目論文の関係性を可視化。論文ビッグデータをさまざまな領域を代表する専門家が一堂に会して解析していくプロジェクトなんです。


サイエンスZEROの新型コロナ論文解析SP!専門家チームってどんな顔ぶれ?

山中伸弥さん(京都大学 IPS細胞研究所 所長・教授):プロジェクト推進

河岡義裕さん(東京大学医科学研究所 ウィルス感染分野 教授):ウィルス変異とワクチンの関係について

朝永啓造さん(京都大学 ウィルス・再生医科学研究所 教授):ウィルスと宿主動物の関係性について

宮坂昌之さん(大阪大学名誉教授 免疫動態学):免疫学が専門

大曲貴夫さん(国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター長):医療現場最前線からの情報提供

サイエンスZEROの新型コロナ論文解析SP!論文ビッグデータ解析からの3つの注目領域とは?

5万本を超える論文データからAIが整理・可視化した情報から、専門家チームは3つのトピックを選びました。新型コロナウィルス、半年ほどですでに5,000を超える種類に分岐しているとは驚きです。そして、世界中の知恵を集めた結果、新型コロナ感染の重症化のメカニズムが紐解かれつつあり、新たな治療戦略が試されているということには希望を見出せたように思いました。

  1. ウィルス変異(5,000種以上に分岐)
  2. 重症化のメカニズム(サイトカインストームによる全身の血管の炎症)
  3. 新たな治療戦略(サイトカインストームの制御)

サイエンスZEROの新型コロナ論文解析SP!重症化のメカニズムが分かってきたらしいゾ!キーワードは「サイトカインストーム」!!

論文ビッグデータを調べていくと、新型コロナ感染の症例に関してあちこちで引用されている論文に行きつくようです。それによると、

感染から5日目に発症。症状は咳や発熱。次第に症状が悪化し、運命の分かれ目が15日目あたり。ほとんどの人が回復に向かう中、およそ6%が肺炎が悪化し自力呼吸が難しくなるといいます。肺炎だけでなく、脳梗塞、心不全、肝不全、腎障害などに進行する人も少なくないそうです。

この全身で起こる臓器不全の原因が免疫機能の暴走であることが分かってきました。「サイトカインストーム」が引き起こされることで血管の炎症が全身で発生。これが脳梗塞、心不全、肝不全、腎障害などの障害を引き起こしているというものです。

大阪大学の宮坂さんのメカニズム説明に加えて、大曲さんの医療現場での症例からの裏付けからも、新型コロナウィルスが引き起こす重症化による全身症状がすごく腑に落ちました。

サイエンスZEROの新型コロナ論文解析SP!サイトカインストームを制御する新治療戦略が始まってるゾ!

サイトカインストームを抑えるために、インターロイキン6(IL-6)の働きを抑える薬が、他の治療薬とともに併用され始めているということです。まだ科学的に有効性が証明されている段階ではないようですが、治療方法確立へ向けた一歩になりそうですよね。



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